駄菓子屋のおばあちゃんとの思い出

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また一件、実家近くの駄菓子屋が無くなりました。

 

約20年前、小学生だった僕にとって駄菓子屋抜きでは思い出を語る事が出来ない程通ってました。

 

今は少子化や近所に大型スーパーが出来た影響でどこも経営が苦しいようですね。

 

そもそも駄菓子屋に経営という概念があったんですね笑

 

少し話が逸れましたが僕には駄菓子屋での忘れられない思い出があります。

 

当時小学2年生だった僕は翌日に迫った母の誕生日プレゼントを何にしようか考えてました。

 

僕にとって人生初の誕生日プレゼントでした。

 

いろいろ考えた結果、僕は当時財布に入っていた全財産110円を握りしめて駄菓子屋に向かいました。

 

当時の僕の行動範囲で行けるのは近所の駄菓子屋しか無かったのです。

 

駄菓子屋のおばあちゃんに「お母さんの誕生日プレゼントを買いに来た!」と言ったら「ここで物を買うよりお母さんに肩たたき券や手紙を書いた方が喜ぶよ」と言われました。

 

当時まだギリギリテレビ業界の景気が良かった時代だったので高級時計や車をプレゼントするのがプレゼントだと思い込んでおりお金で買わない物に価値は無いと思い込んでいました。

 

僕は食い下がりおばあちゃんを説得しましたが、いつも笑顔で優しいおばあちゃんも引きません。

 

「ここに置いてあるお菓子や日用品を買うより、お母さん誕生日おめでとう!いつまでも元気でね!」と言ってあげた方が喜ぶから。

 

最後まで引かないおばあちゃんに対し苛立ちを募らせた僕は泣きながら「クソババア!」と暴言を残しお店を出てしまいました。

 

どうしても「物」をプレゼントしたかったのですが、僕の行動範囲で唯一行けるお店でこのような結果に終わってしまい諦めるしかありませんでした。

 

仕方なくおばあちゃんが言ってた通り、肩たたき券と手紙を書きお母さんにプレゼントしたら泣いて喜んでくれました。

 

嬉しかったのですが、当時の僕は「物」を渡していればもっと喜んでくれたと思い込んでおり不完全燃焼に終わった感覚だけが残り、その原因を駄菓子屋のおばあちゃんだと決めつけそれ以降その駄菓子屋に行くことはありませんでした。

 

あれから月日が経ち今や社会人となった僕は自分が初任給をもらった時や母の節目の年齢になった誕生日に数万円する財布や家電をプレゼントする様になりました。

 

毎回喜んでくれるのですが、その度に言われる事があります。

 

「これも嬉しいけど、初めて貰った肩たき券と手紙が忘れられない」

 

この話を聞くたびに胸が苦しくなり、駄菓子屋のおばあちゃんに対して感謝と申し訳ない気持ちで一杯になります。

 

その駄菓子屋は僕が高校生くらいの時に店を閉じ、その数年後におばあちゃんは亡くなりました。

 

あばあちゃんに対し「ありがとう」と「ごめんなさい」を言えなかった事は恐らく一生後悔として残るでしょう。

 

僕は駄菓子屋のおばあちゃんのお陰で学校の授業で学ぶどんな事よりも大切な事を勉強させてもらいました。

 

おばあちゃんありがとう!そしてごめんなさい…

 

いつの日か僕も人の親になれる日が来るのであれば、その子から肩たたき券と手紙が貰えるような立派な親になれるように日々精進します。。